あいさつ

次世代を担う子供たちに伝えていきたいこと

延岡市キャリア教育支援センター長 水永 正憲

 日本社会は人口減少がすすみ、産業界では人手不足がますます深刻になってきています。特に地方では、若者の県外流出が依然として続き、若者定着を如何に図るかが大きな政策課題になっています。若者は、都会にあこがれを持っていますので、一度は都会に出て様々な経験を積み、ネットワークを築くことは意味のあることでもあります。

 問題は、若者たちが、将来はこの地域に戻って、地域の課題解決に貢献したいと思えるかどうかだと思います。

 そのためには、小中高の時から、この地域で働き・暮らす大人たちが、その魅力と課題を

 くりかえしくりかえし語り伝えつづけていくことが、いま最も求められていることではないかと思います。

 そしてもう一つ大きな課題があります。

 それは、若者の離職率が高いという問題です。宮崎県では、学校を卒業して就職したけれども3年以内に離職する率が40%前後となっており、これは全国平均を約10%近くも上回っているのです。そこには、「やりがいのある仕事が見つけられない」と苦悩する宮崎の若者たちの姿があります。どうしてこのような事態が生じてしまったのでしょうか。

 その大きな原因のひとつに、小中高の時代に、「働くことの意味」や「自分にとって幸せとは何か」といったことを考えさせきれていない、学校と家庭の教育の実態があると思えてなりません。

 そこにこそ、地域の大人たちが、「働く喜びと苦労」を語り、地域の課題解決に取組んでいる生の姿を見せ、この地域で働き・暮らすことの魅力と課題を、子供たちに伝えていく意義があると思います。地域の総力を結集して、親や先生をサポートし、次世代を担う子供たちを育んでいくことが必要なのです。

 平成29年4月に、延岡商工会議所のご協力を得て、延岡市キャリア教育支援センターを設置いただき、社会人による授業を「よのなか教室」と呼び、講師を務めていただく産業界や地域の方々を「よのなか先生」と称して取組みをはじめました。

 産業界や地域の多くの方々のお力をいただきたいと願っています。

 皆様のご理解とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い致します。

延岡商工会議所会頭

吉玉 典生

 延岡商工会議所では、地元経済界と教育界が協働し、若者たちに「働く喜び」「ふるさと延岡の思い」を伝えることを基本理念に、また、ものづくりに卓越した技術を要する本市の中小企業等の魅力を伝えることで、将来を担う子ども達が延岡市のリーダーとして育ち、将来において地元に定着することを目的に、平成29年1月に「延岡市キャリア教育支援センター」を設置しました。 


水永正憲センター長を始め、教育や企業活動の面で経験豊かなコーディネーター2人を配置し、「延岡の大人たちはみな子供たちの先生」をスローガンとして、民間企業者・従業員等の皆様に「よのなか先生」と称した講師としてご登録をいただき、学校からの要請に応じて、小学生、中学生及び高校生に仕事への思い等を伝える「よのなか教室」を開催するなど、多彩な活動を展開しています。


現在、中小企業を始めとする市内企業は、深刻な人材不足に直面しており、特に後継者育成問題など事業承継は喫緊の課題となっています。こうした課題解決を行うためにも、産業界と教育界が連携し、次代を担う若者が地域リーダーとして活躍できる環境づくりを進めることが重要だと考えます。
今後とも、引き続き「延岡市キャリア教育支援センター」の活動に対しまして、ご理解とご協力をいただきますことをここにお願いいたします。

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